つつじ動物霊園

庭前の柏樹子

暦の上ではすっかり春なのですが、三寒四温という言葉がぴったりのような、そんな寒暖差を繰り返しています。皆様、体調など崩してなければ良いのですが。

本日は春分の日、お彼岸の中日です。昨日は正源寺にて春彼岸の法要が執り行われておりましたが、例年ですとだいぶ花開いているはずの境内の枝垂れ桜が、まだ芽吹いたまま固く蕾を閉ざしていました。見頃を迎えるまではまだ数日かかりそうです。

つつじ動物霊園では先週が合同慰霊祭でした。暖かい日差しに窓を開放しての開催となるなど、すっかり春の陽気に包まれておりました。( おかげで冬物のクリーニングを考えたりして気持ちが先走ってしまいました! )

ご住職の法話はカレンダーから「庭前の柏樹子」でした。中国に趙州(じょうしゅう)和尚という方がいて、ある僧から「如何なるか是れ祖師西来意(そしせいらいい)」問われます。

「祖師」とは座禅を組む「だるまさんが転んだ」の達磨さまのこと。
「西来意」とはインドから中国へ来ること。

達磨さまはなぜ中国まで来て禅を広めたのか? と質問したわけです。つまりは、「禅」とは何か、「仏」とは何か、「悟り」とは何か、という事です。

実に深い質問ですね。

それに対して、趙州和尚は「庭前の柏樹子」とだけ答えたそうです。禅の神髄は庭先にある眼前の柏の木であるとして、あれこれとこだわるから苦しむのであって、禅だとか、仏だとか、悟りだとかいう理屈を抜きにした「無心」の心を示そうとしたのだとか。

お彼岸の中日、癒やしてくれたペット達のことを「外面も内面も関係ない穏やかな気持ち」で偲んで過ごしたいと思います。今月も多くの方にお越しいただきありがとうございました。

2017年03月20日
園長