つつじ動物霊園

壺中日月長し

先々週になりますが、恒例の合同慰霊祭を執り行いました。

良い天気もあって大勢の方にお越しいただきました。誠にありがとうございます。ただ、園内の席も足りなくなってしまい、立ち見となってしまった方も少なくありませんでした。申し訳ございません。

今月の法話は「壺中日月長し」というものでした。壺公(ここう)という老人が毎夜隠れる壺の中が実はとても素晴らしい仙郷で、連れて行ってもらった人が戻ると何十年も時間が経過していたという浦島太郎のようなお話が元となった言葉でした。

時間との向き合い方は難しいですね。有効活用だけでは息が詰まりますし、達成度は時間をどれだけ使ったかで計りますが、充実感は振り返って気づくもので計れるものではありません。
故スティーブ・ジョブズのように毎朝鏡を見て“今日が人生最後の日だとしよう。自分が今日やろうとしていることは、果たして自分のしたいことだろうか?”と自問するほどストイックを極める例もありますが、突き詰めると逆に気が重くなりそうですのでほどほどにしたいものです。

家での生活や職場の仕事などあらゆる場面で、限られた時間の中であくせくと事に追われて過ごすか、落ち着いてこなして密度の濃い日にするか、普段の心がけがとても大切のようです。ちょっとした気の持ちようでゆとりを感じることができれば、日常の様々な場所が壺中となりそうですね。

私たちは、この園舎をペット達と皆様にとっての壺中のようなところにできればと思っています。ほんの短い時間でも向き合って手を合せていただいて、長く寄り添った時間と同じ感覚を感じていただければ幸いです。

2017年05月28日
園長